ヴァイオリン専門店 鈴木聡ヴァイオリン工房

ヴァイオリンのまめちしき

 当工房のホームページをご覧になっていただきましてどうもありがとうございます。
ここでは「ヴァイオリンのまめちしき」と題しましてヴァイオリンの構造やお手入れのポイント、購入のポイントなどを初心者の方にもわかりやすく、また楽しくお読み頂けるようにまとめてみました。
 このページは当工房1999年作成の小冊子(A5版14ページ)の内容に一部加筆、修正をして新たに写真を追加したものになっています。各部の名称は日本名、英語名が混ざっていますがここではよく使われる呼び方で書いています。
 このページの無断転載、複製はお断りいたします。

♪    ヴァイオリンの各部分の役割と、よく発生するトラブル

 ヴァイオリンの各部分がどのような役割を持っていてまた、どのようなトラブルを起こしやすいかについてお話しします。

1.楽器編

表板     材質  松

 表板は、ヴァイオリンの「顔」とも言え、各部の中で最もよく振動する部分です。良質の松で作られ、木目が平行に なるように、また板の厚みは中心から外へ向かってだんだん薄くなるように作られています。2枚の板が中心ではり合わせてあります。よくあるトラブルは、
@横板との接着面がはがれる。
Aほかの部分に比べて柔らかい材料を使っているため、割れやすい、欠けやすい。
Bピチカートの時に爪や指が当たる、などにより傷がつきやすい。
などが挙げられます。表板の修理は修理全体の多くの割合を占めています。表板に限らず、板が割れたときは割れた直後ほどきれいになおすことが可能ですので、お早めに修理されることが大事です。

裏板     材質  かえで

 裏板は美しい木目を持つ、かえでの木で作られています。かえでは堅く、軽く、ヴァイオリン族の楽器に最も適しています。通常2枚の板がはり合わされていることが多いのですが、一枚板の場合もあります。表板同様、中心から外へ向かってだんだん薄くなるように作られています。弦の振動が魂柱と横板を通して裏板に伝わり、ボディ全体を共鳴させます。ところで、裏板には楽器の作者名の入ったラベルが貼り付けてあります。f字孔から覗いてみてください。裏板は表板に比べると修理の機会は少ないですが、表板同様、横板との接着面がはがれることが多いです。

横板     材質  かえで

 横板はたいへん薄い板を熱で曲げて作ります。表板の振動を裏板に伝える役割を持っています。横板は接触などにより割れ、ヒビが多くできる部分です。横板をなおすときは表板を外さないと修理ができないことがほとんどです。横板がこわれているだけなのに大修理になってしまうこともあります。

ネック     材質  かえで

 本体の部分に比べると音に与える影響が少ない部分なので、デザインなど作者の個性がよく表れる部分です。たとえば、ライオン、天使、人の顔、うずまきがふつうのものより多いもの、少ないものなどがあります。彫刻の美しさはもちろんですが、棹の部分の「持ちやすさ」がいちばんのポイントになります。よくあるトラブルとして、「ネックが下がってきた」というケースがあります。この状態は、弦と指板の距離が広くなり弦を押さえる指が痛くなったりしてわかります。原因は、ネックの取り付けが不完全である場合がほとんどです。修理は、一度ネックを取り外して接着面をきれいに作りなおし、再度取り付ける作業となります。ほかに季節により多少ネックが上下することがありますが、これは故障ではありません。

指板     材質  黒檀(こくたん)  

 良質の黒檀で作られています。指板は、直線でなく中央部にわずかに反りがつけられています。正しい反りとなめらかな曲線に仕上げることにより、演奏がしやすくなります。長く使っていると弦を押さえる部分に凹凸ができ、弾きにくくなったり、雑音の原因となるのできれいに削りなおす必要があります。何回か削ると薄くなるので交換します。バロックの時代には指板に象嵌などの装飾が施してあるものもありました。小さいお子様など、はじめてヴァイオリンを習う方は指板に模様がついていると弦を押さえる場所の目安となるので便利だったかもしれませんね。

ナットサドル     材質  黒檀

 ナットは弦が乗っているところです。小さくて目立ちませんが、ナットは「弾きやすさ」を大きく左右する部分です。「楽器がどうも弾きにくい」というお客様の場合まずナットの点検をさせて頂くことが多いです。糸道の溝と溝との間隔は演奏者の指の太さや好みに合わせて作ります。溝が滑らかでなかったり、深かったりすると雑音の原因になったり弦が切れやすくなったりします。
 サドルは表板の一番下についている部品です。表板のふくらみに合わせて高さを調整する必要があります。

バスバー     材質  松

 表板の内側、低音寄りに1本取り付けてあり、表板と同じ素材で作られています。その役割は、
@表板が弦の張力に負けないように補強するため
A低音の補強のため
といわれています。一般に大きな音を出す楽器を作りたいときは、板をできるだけ「大きく」「薄く」します。ヴァイオリンの場合はサイズが決まっているので大きな音を出すには「どこまで薄く作れるか」が重要になります。しかし、薄すぎると今度は弦の張力や外からの衝撃などに耐えられず楽器が壊れてしまいます。そこで、「板は薄くしたまま強度を増す」ために取り付けられたのがバスバーというわけです。「大きな音」と「「ヴァイオリンの強度」との微妙なバランスを握る縁の下の力持ちとなっています。ちなみにギターにはこのような補強材がたくさん取り付けられています。バスバーは取り付ける位置、形によって大きく音が変わります。それはその時代時代で演奏者の要求により変化してきました。たとえば、バロックからモダンへヴァイオリンのスタイルが変わったときには、それまでのバスバーでは小さく、弦の張力に耐えられなくなったので、長く大きいものに改良されました。

ペグ(糸巻き) テールピース エンドピン あご当て

 材質は主に黒檀、ローズウッド、つげ、プラスチックなどが使われています。美観上、4点すべて同じ材質でそろえることが多いです。プラスチックは代用品として量産品の安価な楽器に取り付けられます。材質の堅い順から黒檀→ローズウッド→つげとなります。それぞれに一長一短がありますが、楽器の振動や、楽器の重さにも関係してくるので材質の違いも音に影響してくると言えます。また形の違いも音に影響します。たとえば、あご当ての形では表板との接触面積の違いにより音が変わってきます。「付属品」としてあまり深く気にとめないことの多い部分ではありますが、楽器との相性、美観、演奏しやすさにより慎重に選ぶ必要があります。

       材質  かえで     
魂柱     材質  松

 駒と魂柱は部品の中で最も楽器の音に影響を与えるものであるといえます。駒は楽器の中心に、魂柱は楽器の中に立てられています。駒の役目は、弦の振動を表板に伝える「音の入り口」といえます。魂柱の役目は、表板の振動を裏板に伝えることです。駒の左右の足がぴったり表板に接地し、また魂柱が表板、裏板にぴったり接地することにより、その楽器の本来持っている性能が引き出せることになります。また、駒の削り方(厚さ、ふくらみ、高さ、穴の形など)、魂柱の位置、長さにより大きく音が変わりますので慎重な調整が必要になります。いわゆる楽器の「調整」をするときは駒と魂柱の位置などを見ます。糸巻きで弦を巻くことによって駒が指板側に引っ張られて、おじぎをしてしまうことがよくあります。放っておくと駒が折れてしまい表板に大きなキズがつくことがあります。駒が前に倒れていないか、こまめにチェックしましょう。また、魂柱は表板、裏板に接着してあるのではなく、はさまっているだけです。弦を一度に全部ゆるめるときは倒れてしまうことがあるので注意しましょう。なお、魂柱を立てるときはf字孔から専用の道具を使って立てます。ヴァイオリン製作者にとって駒と魂柱のセッティングは腕の見せ所です。

ニス

 ここでいうニスとはヴァイオリンの表面に塗ってある塗料全体を指します。よく市販されている日曜大工用のものや模型用のものとは異なります。ニスには
@楽器の木を保護する
A音の振動を増幅させる
B楽器の美しさをより引き立たせる
などの役目があります。ニスは薄く、何十回も重ねて塗っていきますので仕上がりまでに数ヶ月かかることもあります。ヴァイオリンのニスの成分は様々な樹脂と染料、溶剤です。製作者の好みにより調合されます。溶剤の違いによりアルコールニスとオイルニスの2系統のニスがあります。特に両者の優劣はありません。大量生産用にラッカー系、ウレタン系のニスも用いられます。よくあるトラブルとして、
@ニスがはげた
A高温でニスが溶けた
Bニスがひび割れた
などがあります。手の当たる部分などが次第に薄くなってはげてくるのはやむを得ないことで、決して悪いことではありません。修理のタイミングは、木の地肌が出てきた頃を目安にしても構いませんが、木を傷めないためにもなるべく早くなおしましょう。古い楽器のニスは後に修復されているケースがほとんどです。ニスはたとえ分量通りの調合をしたとしても同じものは二度と作れません。調合する場所、気温、湿度などの条件により微妙に変化します。したがってニスがはげたり、傷ついたときは以前と全く同じ状態にすることは不可能です。しかし、現在の技術では目立たないように修復することができます。

 ヴァイオリンの弦にはガット(羊腸線)弦、ナイロン弦、スチール弦などがあります。また、それぞれ太さ、材質などにより多くの種類があります。音質は1.ガット、2.ナイロン、3.スチールとなります。値段もこの順に高いですが、耐久性についてはこの逆になります。E線はスチール弦を用い、プレーン線と巻き線のどちらかの選択になります。音質で選ぶならばガット弦がおすすめです。しかしガットはよく伸びるので安定するまでに時間がかかり、また高価でもあります。張ってすぐに使いたい場合などはナイロン弦など新素材の弦をおすすめします。ナイロン弦などの進歩にはめざましいものがあり、決してガットより安いからといって悪いものではなく多くのプロの演奏家の方も使っています。弦はたくさん種類があります。楽器との相性よりは演奏される方のお好みでいろいろ試されてご自分にあったものを見つけましょう。

アジャスター

 糸巻きよりもさらに精度の高い調弦をするための部品です。主にスチール弦の調弦をするのに使われます。ヴァイオリンではE線のみに使われることが多いです。

肩当て

 肩当てには、ショルダーレストと呼ばれるブリッジタイプのものと、ショルダーパットと呼ばれるクッションタイプのものの2種類があります。肩当ての種類によって楽器の音は変わりますが、楽器の持ちやすさなども考慮して選ぶことになります。取り付け部分が裏板のニスを傷めることもあるので気をつけましょう。

2.弓編

スティック(棹)

 スティックはフェルナンブーコ(豆科の高木、南米が原産)という材料で作られています。この材料は木の組織が密で、弾性と強度を兼ね備えていることからスティックの素材としては最高級とされています。安価な製品にはブラジルウッドなどの素材も用いられます。

ヘッド

 スティックの先の部分をいいます。チップが貼り付けてあり、弓毛を固定する穴が開けられています。先端部分なので、天井や壁にぶつけて折れてしまうケースがよくあります。弓は折れてしまった場合修理をしても元と同じ状態にはなりません。楽器以上に慎重に扱うことが大切です。

チップ

 チップはヘッドを保護するためにつけられ、象牙、骨、プラスティックなどで作られます。衝撃で欠けることの多い部品です。

ラッピング

 ラッピングは弓を持つ際に指の当たる場所がすり減らないようにするのと同時に、弓を持ちやすくする役目も持っています。銀線、洋銀線、銀糸線、金線、鯨のひげなどが用いられます。外観も大切ですが、弓のバランスを決める重要な要素になっています。巻き皮には牛皮、羊皮、トカゲ皮などがあります。巻き皮は親指の当たる部分がよくすり減ります。そのままにしておくとスティックを傷めることになります。早めに取り替えましょう。

毛箱

 弓毛を巻き込んで固定するところです。黒檀、象牙、べっ甲などの素材と、金、銀、洋銀などを使った金属部品からできています。装飾のために貝が埋め込まれているものも多いです。毛箱とスティックの接触角が正確に作られていることが重要です。

ねじ

 弓毛の張力を調整するためのツマミです。黒檀の芯に金属を巻き付けて作られているものが多いです。

弓毛

 弓毛には馬のしっぽの毛が用いられます。日本産、モンゴル産、中国産のものなどがあります。当工房では毛替えの際、スティックの弾力、バランスなどそれぞれの弓の特徴や演奏される方の好みに合わせて張り方を変え、より弾きやすい弓を目指しています。


♪♪   楽器のお手入れ Q&A

 ここでは、お客様からよくご質問頂く点についてお話しします。

Q. 「演奏後の楽器のお手入れでいちばん気をつけたいポイントは?」

A. 演奏後に布で乾拭きし、楽器に付着した松ヤニ、汗、ほこりなどを取り除くことがいちばんのポイントです。これらの汚れは毎日毎日は気がつきにくいものですが放っておくと長い時間をかけて、楽器のニスの部分を傷めることになります。もしも汚れがひどくて取れない場合は、専門家にクリーニングをしてもらうと安心です。市販のクリーニング液はニスとの相性により使用できない場合もありますのでご使用はあまりおすすめできません。

Q. 「演奏後の弓のお手入れのポイントは?」 

A. まず、スティックをきれいに布で拭きましょう。布はなるべく弓毛に触れないようにします。次に、弓毛を緩めます。このとき、最後まで緩めずに毛がほぐれてスティックにからみつく手前で止めるのがポイントです。弓毛には汚れが付着しやすいので普段からなるべく触れないことが重要です。

Q. 「松ヤニは多めにつけた方がよいですか?」

A. 松ヤニは弦と弓毛の摩擦を高めるために使います。多くつけすぎると弓毛と弦の間に松ヤニの層ができてしまいあまり効果がありません。また松ヤニの白い粉が表板に降りかかり、放っておくとニスを傷めます。

Q. 「毛替えの時期はどのように判断したらよいでしょうか?」

A. おおよその目安として、毎日使われる方で1ヶ月〜3ヶ月、それ以外の方で半年に1回の割で毛替えをすることをおすすめします。湿度の違いにより夏と冬では大きく弓毛の状態が変化します。(夏は弓毛が伸び、冬は縮みます。)また状態から判断する場合は
@弓毛が切れて少なくなったとき
Aほこりなどが付着して弓毛が汚れたとき
B弓毛が摩耗して滑りやすくなったとき
C弓毛の長さが伸びて長くなったとき
特に、弓毛が長くなってしまうと毛箱が後ろ寄りに移動しバランスが悪くなります。同時に親指が巻き皮にかからず直接スティックに触れることになり、スティックを傷めることにもなります。

Q. 「弓先のチップが欠けてしまいました。修理は急いだ方がよいですか?」

A. 弓チップの役目は、バランス、美観などの意味もありますが、第一に弓の頭部の保護にあります。したがって少々のヒビ、欠けなどは使用上ほとんど問題ないのですが、スティックを傷めないためにもできるだけ早く修理された方がよいでしょう。

Q. 「弦についているチューブは使った方がよいでしょうか?」

A. 弦に附属のチューブは弦が駒にくい込むのを防ぐためのものです。しかし一般的には駒のほうに薄皮を貼るなどの方法で弦のくい込みを防止します。また、雑音の発生源にもなるのでチューブはなるべく使用せず駒のほうに加工を施すことをおすすめします。

Q. 「糸巻きが緩い(固い)のですが?」

A. 糸巻きの不具合は基本的に糸巻きの棒の形とペグボックス(糸巻きが差し込んである部分)の穴の角度がぴったりと合っていないことが原因で起こります。症状の軽い場合は弦の巻き方によっても多少改善されます。糸巻きが緩くて止まりにくい場合は弦をペグボックスの壁にくっつけるようにして巻いていきます。また逆に、糸巻きが固くて動きにくい場合は弦をペグボックスの中心に少し寄せて巻くと良いでしょう。しかしこれらはあくまでも応急処置にすぎません。根本的には糸巻きを交換する、穴を埋めて開け直すなどの修理が必要になります。

Q. 「楽器を弾いた後に弦は緩めておいた方が良いのでしょうか?」

A. 通常の使用では使用後に弦を緩める必要はありません。ただし楽器にはたいへん大きな力がかかっている状態ですので、長期間(1ヶ月以上)楽器を使用しない場合は少しづつ(半音くらい)緩めておくと良いでしょう。このとき、あまり緩めすぎると駒、魂柱などの位置がずれてしまうことがあるので注意が必要です。年に一度くらいの割ですべての弦を緩め、楽器を弦の圧力から開放することも大切です。しかし、この作業は上記の理由から専門家に任せた方がよいでしょう。


♪♪♪  定期点検と調整のおすすめ

 ここでは、楽器をながーく、大事にお使いいただくために当工房がお勧めする「楽器の健康診断」についてお話しします。

 「楽器の鳴りが悪い」、「雑音が発生する」、「音程がとりにくい」、「ウルフトーンがひどい」、「ネックが下がってきた」、「表板(裏板)がはがれてきた」などなど、楽器に関するトラブルは多々起こります。一つの症状に原因が一つであればよいのですがいくつかの原因が複雑に絡み合ってその症状を作っていることもあります。さらに症状自体も表に出るまでに時間がかかり、演奏される方がトラブルに気づいたときにはかなり悪化しているケースをたくさん見てきました。また、「楽器の鳴りが悪い、、、、」これは正しい調整がされていない場合がほとんどです。せっかく楽器本体に故障がなくとも、楽器の各部が一つとなって音色を奏でる準備ができていないと美しい音色はなかなか出せません。これをオーケストラに例えるなら、すばらしい演奏家がそろっているのに「音合わせ」ができていないような状態といえます。
 このような経験から、当工房では半年、または1年に一度の「楽器の健康診断」をお勧めします。専門的な目から楽器をくまなく点検し、
「楽器の持つ力を最大限発揮できているかどうか」
「美しい音色を出すためにさらにできることはないか」
「いずれ大きな症状となりうる隠れたトラブルはないか」
などを無料で拝見致します。修理、調整が必要な場合は、ご予算、演奏会、発表会などのお客様のご都合に合わせた「修理スケジュール」をご相談させて頂いております。


♪♪♪♪ ヴァイオリン購入 Q&A

 ヴァイオリンの修理以外のことでよくお客様からお問い合わせ頂くのは楽器の購入に関することです。ここで少しお話ししてみたいと思います。

Q. 「初心者の人が初めて購入するヴァイオリンの予算はどれくらい?」

A. 現在、当工房も含めまして楽器店で販売されているヴァイオリンの中でいちばんお安いものはセットで6万円位の商品になります。ただ材料、製品の質などからできましたら本体10万円位、弓、ケースなどを含めて15万円位かそれ以上のものを購入されることをお勧め致します。しかし演奏が上達されるにつれ物足りなくなって何年か後にお買い換えされる方も多いようです。もしもご予算に余裕がおありでしたら初心者だからといって安い楽器、弓で十分ということでは決してありません。少しでも良いものをお選びになった方が上達も早いと思います。

Q. 「新作とオールドはどちらがよい?」

A. 新作ヴァイオリンにはいわゆる定価というものが存在します。ファクトリーメイドのものはほぼ価格と性能が比例していると思って頂いて間違いありません。手工品はいろいろなものがありますが、それぞれ製作者の個性が出ています。新作は日々音が変わっていきます。もちろん良い方向にです。演奏者が音を作っていく楽しみがあります。オールドはいわば即戦力です。これまでに積み上げてきた歴史があります。新作では味わえない雰囲気、音を持っています。オールドの場合は楽器の真贋、価格が適正であるか、メンテナンスがきちっとされているかが重要なポイントになってきます。どちらもそれぞれ持ち味があり、あとは演奏される方の好みかもしれません。新作とオールドと2台お持ちの方はとても幸せだと思います。ある程度の価格を超えると新作の選択肢はなくなります。

Q. 「手作りのヴァイオリンと工場製のヴァイオリンはどう違う?」

A. 工場製の楽器は各メーカーが様々な価格でたくさんの種類の製品を作っています。価格の違いは人の手が入る度合いと材料、部品のグレードで決まります。それぞれのメーカーによる違いはありますが、価格の差ほど音は違わないな気がします。手工品は製作者が一人ですべてを作り上げるものです。なかにはお弟子さんが途中を作ったりするものもありますが、行程ごとに製作者がきちっとコントロールしているものはその製作者の作品として認められます。やはり手間がかかっていますので、工場製のものよりは価格も高くなりますが、性能は申し分ないと思います。

Q. 「楽器に合う弓はどのように選んだらよいでしょうか?」

A. 「ヴァイオリンがこの価格なら弓はこれくらいのものを」などのお話をよく耳にすることがあります。これはとても難しい問題です。私の考えとしては楽器と弓とは全く別個にお考え頂ければと思います。良い弓はどの楽器にも合うと思います。それよりも実際に演奏される方が持ちやすい、弾きやすいものをお選びになると良いと思います。楽器よりも価格の高い弓をお使いの方もたくさんいらっしゃいます。


 最後にごく簡単に楽器の選び方のポイントをお話しします。
 楽器をお選びになるときにはご予算の中で2〜3台の中からお選びになると選びやすいと思います。5〜10台と選択肢が多くなるほどその中でいちばん良いものが選ばれないケースが多いようです。
 試奏は必ず実際に楽器をお使いになる方がしましょう。やはりお使いになる方が気に入ったものがいちばんです。
 ヴァイオリンはとても高額な商品です。フルサイズでは「一生に一度の買い物」になる方がほとんどです。皆様が少しでも良い楽器をお選び頂くことを願っています。そのなかで当工房の商品も選択肢に入れて頂ければ幸いです。


 当工房作成の小冊子(A5版16ページ)です。こちらはかわいいイラスト入りです。修理でご来店のお客様に差し上げております。

  ♪       ヴァイオリンの各部分の名前
  ♪♪      各部分の役割とよく発生するトラブル
           1.楽器編
           2.弓編
  ♪♪♪    ヴァイオリンのお手入れのポイントQ&A
  ♪♪♪♪   定期点検と調整について  
  ♪♪♪♪♪ ヴァイオリン購入Q&A




  




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